JBTへの道(?)その7

JBTへの道(?)その7

さてさて、ジャパンバイクテクニークに向けた自転車製作の7回目
ヘッド周辺寸法の続きです・・・

フォークオフセット55mm・ヘッドアングル71.5°・トレイル値54mmであり、フォークオフセットが通常のランドナーと比べて短めにして、機敏性を高めていると前回お話し致しましたが、ではなぜフォークオフセットが近年のロードバイクの様に45mmや50mmでないのか?
ということですが・・・至極単純、使用しているフォークブレードの曲げ加工が出来ないからです

使用しているフォークブレードはレイノルズ・631で右側がΦ24mmOVALノーマルサイズ、左側がΦ24mmOVALディスクブレーキ用です

左右どちらもストレートとベントの2種類がラインナップされていますが、ストレートのまま使用すると今回使用するクラウンとの都合上45mm以上のオフセットが取れませんし、ベントでは最初から45mmオフセットで曲げられておりエンドを付けるとフォークトータルでのオフセット量が65mm程になりますが、差10mm程度なら曲げずにブレード長等の加工で製作出来ると判断してオフセット量を55mmにセットした次第です

通常のクロモリならストレートブレードでも50mm60mmと平気に冷間曲げ加工できるのですが、631は素材自体が固くしかもディスクブレーキ用は厚み1.1mmとかなり厚め
試しに曲げようと試みたこともあるのですが、曲げ治具の形にパイプが凹んでしまい使い物になりませんでした
パイプの中に砂を詰めて火で炙りながらなら曲げることも可能なのかもしれませんが、その経験技術が無いことと、631の「熱を加えると硬くなる」という特性で、フォークの乗り味が変化してしまいそうな理由から今回はチャレンジしていません

そんな理由でフォークオフセットは55mmとなりましたが、フレームの設計やコンセプト上、悪い数値とも思っていません

さてフォークオフセットが55mmと決まったら、次はヘッドアングルを決めていきます
タイヤ直径も決まっていますので、ヘッドアングルを変化させることでトレイル値を調整していきます

トレイル値も直進性と曲がりやすさに大きく影響が出ますが、普段はそんなに気にする寸法ではありません
常識的なフォークオフセットとヘッドアングルとタイヤ直径にすれば、おおよそは適正なトレイル値になっていますからね

トレイル値はハンドリングへの影響が顕著ですが、基本的に走る道とコーナー時のスピードで判断出来ます

ランドナーの様にコーナー時はシッカリと減速し、ハンドルを切って曲がる車種ですと40~45mm(場合によっては50mmまで)にあわせます
前回も書いた(大槻が設計する)普通のランドナーの場合、フォークオフセット65mm・ヘッドアングル72°ならトレイル値は41mmとなり、平均的なトレイル値の寸法に収まっています

もう少し、速く走行するスポルティフならトレイル値は50mm前後にあわせます

例えば、タイヤ径700x25C・フォークオフセット55mm・ヘッドアングル72°ならばトレイル値は51mmとなり、やはり平均的なトレイル値を得ることが出来ます

ロードバイクなら更にスピードが上がりますから55~60mm位が標準でしょうか
MTBなら安定性(転びにくい事)を重視してクロスカントリー系ならトレイル値80mm位、ダウンヒル系なら100mm以上と言う感じでしょう

今回のフレームはツーリングバイクでもありながら、レーサーを意識して製作していますので、トレイル値は通常のランドナーと同寸にすることは無く、スポルティフやロードバイクと同程度にすることとしました

その為のヘッドアングルが71.5°にするとトレイル値が54mmになったと言う訳ですね
ちなみに、ヘッドアングルが71°ですと57mm、72°ですと51mmとなりますので、71°でも良いかな?とは思います

0.5°立たせた理由はフロントセンター長を短くする為です
機動性を上げる為にもフロントセンター(BB中心から前輪ハブ軸中心まで)も短くしたいと考えていましたので、ヘッドアングルを立ちぎみにして、なるべく短くした次第

結果的に600mmとロードバイクならかなり長めの数値となりました
650x38Bタイヤでクランク長170mm、仮にMKS社のトークリップLsizeを使用すると、僅かに泥除けとトークリップ先端が接触する寸法です

ぶつけない様に気を付ければ良いだけですし、今回はビンディングシューズを使用するので、恐らく泥除けとシューズはぶつからない寸法になりました

泥除けとシューズはぶつかっても良いと思って設計していたので、この数値も実はまったく気にしていません
勿論、通常のランドナーの場合にはシューズの大きさやトークリップの大きさ、クランク長等を計算してなるべく泥除けトークリップがぶつからない様に、かなり重要視しています
それは、BB位置が決まったら「まずフロントセンター長を決める」最初の2手目という位重要です

さて、JBT用のフレーム&フォークの寸法で特徴的なのは以上だと思います
それ以外は寸法的特徴のある部分は無いと思います

結果として、かなり後輪荷重が強いフレーム設計となりました
一般的なツーリングバイクポジションにしてしまうと、前輪への荷重が足らずに急勾配のヒルクライムで前輪が浮き上がりそうになる、後輪への負荷が大きく転がり抵抗が増える(前後輪が5:5の荷重の時に最も転がり抵抗が減ります)ということになってしまいます
今回はかなり前傾姿勢の強いレーサーポジション(サドルよりもハンドルが7cm位低くなります)だからこそ可能な設計です
このポジションを確保する為にはそれなりの筋力と柔軟性も要求されますので、万人向けでは決してありませんので、ご注意ください

フレーム設計の話しは4年程前の枻出版社「旅する自転車 ランドナー&スポルティーフの本」というMOOKにも、もう少し詳しく書いていますので、お持ちの方は合わせてご覧ください

さて、フレームは大体済んだので、次はパーツ類をどうしていくかですね・・・
※相変わらずフォークは出来ていませんが(汗)

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