【なんとなく考察】現代的なスチールロードバイク

【なんとなく考察】現代的なスチールロードバイク

トラディショナルなツーリングバイク・ロードバイクを多く販売しているvelocraftですが、珍しく、現代的なスチールロードバイクが入荷(CWS吉祥寺店に)したので、私達の考えている「普通」のスチールロードバイクとの違いを中心にご紹介

まず、パッと見ためで随分と違いますよね
太いパイプ径・スローピング・カーボンフォークが最近の主流であることに間違いはありません

ブレーキやシフト等、最新のパーツは性能が上がり、どうしてもフレームフォークへの負担が大きくなっていますので、今までのノーマルサイズのフレームフォークでは剛性感が足りず、頼りなさが出てきてしまいます

特にフロントフォークやヘッドパーツ、ダウンチューブ・シートチューブが顕著に表れていると思います

例えば、ブレーキが強力になり、フロントブレーキを掛けるとフォークがグッとシナリ、挙動が安定しなくなります
フォークがシナルのはブレードだけの理由では無く、コラムやクラウンの剛性感もありますし、フォーク回りを強くしてもダウンチューブにも負担が多く掛かり過ぎてしまっています

Di2を始め最新のフロントディレーラーはシートチューブに掛かる負担が大きく、ノーマルサイズの薄いパイプでは変速するとシートチューブが膨らんでしまいます 特に直付け台座を使用する場合に問題が出やすいです
その膨らみは目視で確認出来る程ですから、変速性能に影響があるのは間違いありません
モチロン、ノーマルサイズでもパイプの肉厚を厚くすることで対応することは可能ですが、重量増は仕方がありません

そこで、最新のスチールロードはヘッドチューブが太くなっています
今回の自転車はインセットヘッドパーツと呼ばれるタイプで、内径がΦ44mm
下ヘッドパーツが1・1/2”で上ヘッドパーツが1・1/8”の異形ヘッドパーツを採用しています

内径Φ44mmのヘッドチューブは自由度が高く上下1・1/8や下1,1/4”にも対応していますので、フレームのシルエットや多くの種類のフォークを採用しやすくなっています

この太さのフォークコラムをスチールで制作すると異常に重たいフォークになってしまいますから、必然的にフォークはカーボン製を採用しますし、デザイン的にも太いカーボン製の方がしっくりくると思います

カーボンフォークにすることで、スチールだと足りない剛性感を補うことも出来ますし、重量も軽量にしあがります
※今回のフォークは350gで、ノーマルサイズのスチールフォークの半分位になります

モチロン、フォーク・ヘッドの剛性感に合わせる様にダウンチューブもΦ38.1mmの大口径パイプを使用してバランスを取っています

形状や素材は違いますが、velocraftで制作したJBT用の自転車も同じ発想だと思って頂けると良いかと思います
フォークの剛性感を補う為に上下異形のヘッドパーツを使用して、フォークブレードはスチール製でありながらも、太いディスクブレーキ用を採用して、ダウンチューブもオーバーサイズを採用しています

シートチューブはΦ33.0mmを採用し、シートピラーはパイプ径に合わせてΦ31.6mmを採用しています
ただ、どちらかと言うとΦ31.6mmのシートピラーを使用したいが為にΦ33.0mmのシートチューブにしたのではないかと思います

その為、一般的なフロントディレーラーバンドサイズΦ28.6mm・Φ31.8mm・Φ34.9mmには対応しませんので、専用のΦ33.0mmバンドを使用して直付け用フロントディレーラーを装着しています

最近はフロントシングルも一般化してきましたから、シートチューブのパイプ径の自由度が上がってきていることも珍しいパイプ径を使用している理由の一つかもしれません

リア三角(シートステー・チェーンステー)は従来と殆ど違いはありません
この自転車はチェーンステーはオーバーサイズのOVALパイプを使用していますが、前3角との剛性感やシルエットのバランスを取っている為だと思います

今回の自転車のBBシェルはノーマルなJISサイズ(写真右)で、ノーマルサイズなのですが、最近は写真左の様な大口径のBBシェルが採用される場合も増えました

カーボンフレームと違いねじ切りがしやすいスチール製ですから、大口径ねじ切りのT-47と呼ばれるサイズが注目されています
大口径で、シートチューブやダウンチューブとの溶接面を広げながらもねじ切りで圧入タイプと違い音鳴りがしにくい構造になっています

T-47はまだまだ一般的なサイズとは言えませんが、今後はハンドメイドの世界で広がっていくのではないか?っと想像しています

コンナ感じで、最新のコンポーネントを使用することを前提としたスチールフレームは出来ていると思います
また、別の理由ですが、ノーマルサイズのパイプを使用したフレームはどう作っても一部の安全基準のテストにクリア出来ないという側面もあります
※安全基準に則っていなくても違法や販売禁止という訳ではありませんが、大手メーカーは不特定多数のユーザーに販売する為に重視する傾向が強くあります

ココまで高剛性化を狙うと「スチールフレームは乗り心地が良い」という通説は全く当てはまらなくなります
モチロン、ガチガチに硬い自転車と言う訳では無く、ホイールやタイヤ・ハンドルバー等で剛性感や乗り心地のバランスを取ることが出来ますので、フレームの素材や製造方法だけで、自転車の乗り味を図ることは全く出来ません

トラディショナルな自転車ばかりを扱うvelocraftですが、こんなスチールフレームも可能性が広がって面白いと思っています
ロードバイクに限らず、スチールフレームの可能性はまだまだ広がりますね

大槻個人的には違和感のあるスタイルですが・・・(内緒)

【参考自転車】チネリ ヴィゴレッリ 105仕様 ¥231,000-(10%税込)

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