【なんとなく考察】BB部ワイヤーリードについて

【なんとなく考察】BB部ワイヤーリードについて

フレームを製作する場合やビルダーにフレームを依頼する時に最も重要なのは、ジオメトリーとパイプ選択だと思いますが、当然それ以外にも決めなくてはならない箇所がたくさんありますよね

ボトルケージダボは何処に何か所付けるのか?チェーンステーの逃がし方法は?泥除けやキャリア用のダボ穴は?等々・・・

その中でワイヤー処理をどうやって行うかも大事
ワイヤー類をフレームパイプの外に出すのか?内蔵するのか?
外に出すならアウター受けの位置は?アウター受けの形状は?アジャスター付きor無し?アウター受けは使わずフルアウターでトンネル式?
内蔵するなら、フレームに穴を開けるだけ?フタの形状は?出入口の場所は?BBとワイヤーは干渉しない?

外に出す時には通常ダウンチューブからインナーワイヤーが伸びてBBシェルの下側を通り、フロントディレイラ―に直接付け、リアディレイラ―へはチェーンステーのアウター受けを介してディレイラ―へ、そんなパターンでしょう

現状では、パイプリードかプラリードかの2種類が主流だと思います

上写真は、東叡社のフレームの標準的な加工であるパイプリード
BB下にフロント用とリア用のインナーワイヤーが通る様にスチール製のパイプをくっ付けています

上写真はジャイアント製自転車のプラリード(プラスティック製ワイヤーリード)
プラ製のパーツをM5のネジ穴を開けたBBシェルにボルトで固定しています
現在の主流と言える方法でしょう

どちらにもメリットデメリットがありますが、トラディショナルなツーリングバイクの場合にはスチール製のパイプリードが人気です
石油製品を少しでも減らした方が格好いい、ロウ付け箇所が多いフレームの方が手間が掛かっている感じがして満足度が上がるというご意見が多いからだと思います

しかし、シマノやカンパニョーロは自社のプラリードの使用を強く勧めています
スチール製に比べてプラ製の方が摩擦が少なく、近年の多段化されたディレイラ―ではシビアな調整が必要ですので、スチール製だと抵抗が大きく変速不良を危惧してのことと思います

実際組み立てていると、スチール製だから変速不良を起こすということは新車の時には無いのですが、錆が原因で滑りが悪くなり変速不良を起こす場合があります
これは、プラ製でもインナーワイヤーが錆びていることで同現象は起こり得ますので、スチール製だから悪いという訳でも無いかなとは思います

また、スチール製でもプラ製のライナー管を通して滑りを良くするというご意見も頂きますが、度重なるシフトチェンジでライナーは簡単に擦り切れてしまい、結局はインナーとリードが直接触れていることが多いので、効果は限定的だと思っています
大槻はお客様からのご要望が無い限り、組立て時にライナー管を入れることはしていません
また、ライナー管は細い管ですから、そこに水が溜まりインナーがサビ易いというデメリットもあります

また耐久性やトラブルレスという視点で考えると、自転車として使用している場合に、スチール製はまず壊れることがありませんが、プラリードは数年で割れてしまいます
石油製品はどうしても安定した素材ではありませんので、紫外線等による攻撃で経年劣化を起こしてしまう為です
プラリードはボルトオンですから、割れたら交換すれば良いだけではありますが
耐久性という面ではスチール製が良く感じますが、フレーム単体で保管している場合やフレーム制作中に、フトした際にフレームを床に落としてしまうケースがあります
そうすると、スチール製のワイヤーリードが結構簡単に凹んでしまいます
凹んでしまうと見ためが悪いだけでなく、インナーも通らなくなってしまいますから、使えなくなります
プラリードなら壊れても交換するだけですが、スチール製はロウ付けで熱を加えての修正ですから、塗装含めての修繕が必要です
手間も費用も嵩んでしまうデメリットがあります

スチール製とプラ製はどちらが良くてどちらが悪いということでは無く、オーナー様やメーカー(ビルダー)の考え方で分かれてくる箇所です
velocraftでは、特にお客様からご要望が無い場合、東叡社はスチール製をケルビムや鶴岡レーシングではプラ製にしています(ご要望があれば勿論変更します)トラディショナルさが好まれることが多い東叡社のフレームは石油製品をなるべく廃して、ケルビムと鶴岡レーシングは変速機能重視でプラ製という感じです

製作する時、オーダーする時のご参考に・・・


そして、昔はもう一つの方法がありましたよね!

スチール製ですがBB下にワイヤーを通すのではなく、BBの上にインナーを通す方法
70年代のロードバイクには良く採用された方法で、カンパニョーロ製の部材が有名でした

今回、シマノ製ですが、BB上通しのフレーム部材が少量入荷致しました
勿論現行品では無く40年程前のデッドストックを入手したものですので、数量限定となります
また、多少の保管傷やサビはご容赦ください

昔は一般的で今は珍しい方法です、70年代風のフレーム制作や旧車のレストアに是非ご活用ください

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