【なんとなく考察】ツーリング車のフロントセンター長

【なんとなく考察】ツーリング車のフロントセンター長

以前もブログで書いた事がありますが、ポジションを一定にした場合にはシート角を寝かせるとBB位置が前に出る為、フロント~センター長が短くなり、フロント荷重が強くなります

ツーリングバイクの場合にはフロント~センター長を長く取るのが通例で、それに合わせてリア~センター長も長くなり、結果ロングホイールベースとなります

ツーリングバイクは当然泥除けをセットしますが、フロント~センター長が短いとペダルを漕いだ状態でハンドルバーを切る時にトークリップやシューズの先と泥除けがぶつかってしまいますので、それを避ける為でもありますし、安定性を増す為でもあります

ロードレーサーでも勿論フロントセンター長が短いとつま先が当たるのは同じですが、シューズとタイヤがぶつかっても、あまり気にしない傾向があります
「コーナーを曲がる時にはペダリングを止めて、しっかり外脚荷重」を徹底して走ることが前提であること(テクニックを求められています)やトレイル値がツーリングバイクと比べて大きく、自転車をしっかりと傾けてコーナーを曲がるライディングであること、タイヤに出っ張りが無いことが前提にある為です
つまりフロント~センター長を無理に伸ばして、運動性能が下がる位なら短いままの方が良いという発想です
テクニックは必要ですが、失敗してもタイヤが直接シューズに当たるだけなので、転倒など事故のリスクは少ないと思います(シューズに傷は付きますが・・・)

しかし、泥除けの付いたツーリングバイクは、トークリップやシューズと泥除けがぶつかる場合、泥除けにはステーやダルマネジなどの出っ張りが引っ掛かってしまいます
その際ペダリングが一瞬止まりますので、バランスを崩したり転倒したりとリスクが大きくなってしまいます

ソレを避ける為にツーリングバイクの場合にはフロント~センターをつま先と泥除けが当たらない様に長めに取るのです
ぶつからない寸効の細かな計算はフォークのトレイル値やタイヤの大きさによって変化しますし、三角関数が必要になるので省きますが、メジャーな寸法の目安を記載しておきますね

※ペダル中心からトークリップ先端まで90mm(MKSシルバンツーリング+Lsizeトークリップの大よその数値)・クランク長165mm・タイヤと泥除けのクリアランス20mmを前提条件とします

650x42B=600mm
650x38A=600mm
650x38B=595mm
650x35A=595mm
650x32B=590mm
700x25C=600mm
700x28C=605mm
700x32C=610mm
700x35C=620mm

これだけの数値が必要です(数ミリの余裕を持たせた数値です)
ロードバイクと比べると随分長いですよね

ライダー身長が170cm強位の一般的なロードバイク(トップチューブ535mm・ヘッド角73°・フォークオフセット45mm・BBドロップ70mm・700x25C)のフロント~センター長は575mmですから、泥除け付きツーリングバイクの場合よりも25mmも短く設定されています
この数値では泥除けが無い場合トークリップ(シューズ)とタイヤが当たるか当たらないか微妙で、泥除けが付いた場合には確実に当たる寸法です

ロードバイクに泥除けを装着したいとご依頼を頂くことも多いのですが、単純なダボの有無以外にもこんなところに支障をきたす場合がありますので、ご注意ください

ちなみに上記寸法のロードバイクを基準にフロントセンターを伸ばすなら、ヘッド角を72°~72.5°にフォークオフセットを55mmに仕上げればOK
よく見るスポルティフの寸法ですよね

ヘッドを寝かせてフォークオフセットを長くとれば、フロント~センター長が伸びてトレイル値の変化が少なく出来ます

velocraftで設計する場合は可能な限りフロント~センター長は上記以上の長さをとりますが、大きいサイズでも極端に長くすることもありません

オーダーメイドを制作する場合に「ホイールは700Cにして」と言われることが意外と多いのですが、仮に28Cで制作するとフロント~センター長が605mm必要になるにも関わらず、トップチューブ長が520mmの様に短い場合ですと、ヘッド角を71°・フォークオフセットを65mmにするしかありません
フレームサイズに対して極端にホイールベースを長く取らなくてはいけないので、恰好良くスポーティな乗りやすい自転車に仕上げるのは難しくなってしまいます
タイヤやホイールの入手性が良い、今までのロードレーサーのパーツが流用出来る等の良い面もあるとは思いますが、自転車のバランスとしては崩れてしまいますので、650B等の小さいホイールに変更することをお勧めしています
どうしても700Cでと言う場合にはバランスを考えて、トークリップと泥除けがぶつかる事をご了承頂いた上で、フロント~センターを詰めて設計しています

オーダーメイドの場合にはこの様に、お客様と大槻で少しでも理想に近いフレーム寸法を設計出来ますが、マスプロ車の場合には、そんな事は出来ません
マスプロツーリングバイクの購入をお考えの方は、フロント~センター長やトークリップと泥除けのクリアランスを知った上でご購入されることを強くお勧めします

なんで、急にフロントセンターのお話しをしたかというと、上記「MASI スペシャルランドナー 470mm」がCWS吉祥寺に入荷したから

イタリアンブランドのMASIですが、実はこのモデルはHAROブランドの傘下に当たるUSAモデル
※大槻個人的にはHAROというと契約BMX選手のデイブ・ミラやライアン・ナイキストは憧れでした(このブログとは全然関係ありませんが(笑))

最も小さいサイズの470mmですが「小さいからトップチューブを短く」「ハンドリングは大きいサイズと同じにする為にヘッドアングルも殆ど換えない」「フォークは既製品を使用するからオフセット量は調整しない」「ホイールは主流の700Cでしょう」と安易な発想なのでしょう

フロントセンター長が極端に短く、何と泥除けとクランクが接触してしまいます
ロードバイクとしてならともかく、ツーリングバイクとしては致命的な欠陥設計です

有名メーカーのMASIですら、こんな設計をしてしまうのですから怖いですね
この設計を知らずにユーザーへ販売してしまったらと思うとゾッとします
危険な自転車ですからね

「じゃあ、なんで仕入たの?」と思われるでしょうが、超特価でご提供出来るから

【販売価格】¥176,000→¥88,000-(10%税込)

この価格なら泥除けを外して、ツーリングロード的に乗っても良いですし、この価格でワイヤーディスク仕様のシマノ ティアグラですから、パーツ取りにも良いと思います

少し、矛盾しておりますがこの価格なら充分お得だと思います
是非、ご検討ください(但し、乗車の場合は必ず泥除けは外しましょう

※販売はCWS吉祥寺の店頭のみとなり、WEB決済・配送は承っておりません

ちなみに、MASIのグラベル(アドベンチャー)バイクであるカタリナは、CWS吉祥寺でお勧めの1台です
どの位お勧めかというと、MASIカタリナシリーズはCWS吉祥寺が日本で一番の販売量を誇る位(メーカーさんが仰っていたので、多分間違い無いと思います)

700Cの太目のタイヤですから、小さめサイズは泥除けを装備しやすいジオメトリーではありませんが、ダートツーリング・キャンプツーリングに使いやすい1台となっています

現在CWS吉祥寺店頭在庫はありませんが、夏には2021モデルとして再入荷する予定です

コチラもご期待ください

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