先日入荷したTOEIフルオーダーフレーム
お客様からのご注文品で、これから時間を掛けて組付け作業を行っていきます
その前に今回のフレームが非常に大槻の好みだったので、お客様の許可を頂きご紹介します
まずは全体像を
ラグレスで特殊加工の無いシンプルな形状をしています
大きくも小さくも見えないと思いますが、フレームサイズは600mmもあるんです(トップチューブは570mm)
そんなに大きくは見えないですよね!
実はフレームパイプを色々ミックスしています
メイン3角はレイノルズ631(0.8-0.5-0.8)のダブルオーバーサイズを使用してダウンチューブはΦ31.8mm・トップチューブはΦ28.6mmにして、大きなフレームサイズでは避けられないフレームのタワミの出過ぎを抑制しています
しかも一般的なクロモリに比べて若干固めのレイノルズ631にしていますし、重量もカイセイ019と同じ厚み重量ですので剛性感・重量のバランスは良いと思います
「結構固めで若干軽い」そんなイメージでしょうか
ヘッドパーツはNJS認定パーツとして名高い八田スワンを使用して、なめらかな回転と球数の多いボールで高耐久性を発揮してくれるはず
輪行ヘッドで無ければベストチョイスだと思っています
リアブレーキワイヤーは内蔵にはせずに、シンプルなベアシステムとして、重量の軽減とフリクションロスの少ないブレーキングが期待出来ます
滑らかなラグレスの仕上げはフレーム性能には直結しませんが、見ためには重要なポイントとなるはずです
フォーククラウンはvelocraftナガサワ・ロードクラウンを採用しています
恐らくWEBショップをオープンしてから最も数多く販売しているクラウンです
WEBショップオープン前は入手経路が確立出来ず、お客様にはご迷惑をお掛けしていたのですが、最近はバンバン採用し単品販売出来てうれしい限りです
勿論フォークブレードはΦ24OVALですから、使用する強力な制動力を誇るブレーキにもフォークブレードがタワミ過ぎることなく力強く制動力を受け止めてくれます
Φ23mmフォークブレードが基本のツーリングバイクですが、カンチブレーキやセンタープルブレーキならフォーク剛性とのバランスが取りやすいですが、強力なサイドプルやVブレーキではどうしても制動力に対してフォーク剛性が保てないと考えています
しかし、Φ24mmOVAL用クラウンでツーリングバイクに似合うクラウンが少ないのも事実
今回は700x30Cタイヤに本所工研H29(43mmマビック型)を取付けるので、ギリギリナガサワロードクラウンが使用出来ます
それ以上のタイヤ幅になると、クラウンの幅が90mm以上にもなり見ため的に妥協せざるを得ない場合もあると思います
また、今回はサイドプルブレーキを使用しますが、フロントキャリアはかなりの重量物にも耐えやすい4点止めのキャリアを別途製作しています
その為クラウン付近にも取り付けダボが必要なのですが、ナガサワロードクラウンならダボ穴位置をキッチリとよけることが出来るのも魅力です
シートステーはカイセイ024を使用していますので、Φ16mmのオーバーサイズ
これも長くなり過ぎたシートステーの剛性感を維持しつつ、前3角との見ためバランス的にもベストチョイスだと思います
実際に近くで見ると迫力ある太さなのですが、フレーム全体としてみると決して太すぎる印象にはならないと思います
舗装路での走りやすさを追求した乗り味と、トラブルレスを意識したシンプルなブレーズオンパーツで、現代の道路事情にマッチしたフレームになっていると思います
内蔵工作やリムドライブ式のライト配線、輝くメッキ処理などは見ためは目を引きますが、部品点数が多くなりどうしてもトラブルが出やすくなったり、サビや再塗装の問題が出やすかったりしますが、あえてシンプルで乗りやすいしたことでの良さもあると思います
パイプや部材の選択、ジオメトリーこそがオーダーメイドフレームで一番求められ、走りやすさに繋がる要素です
今回はお客様が大槻と全く一緒の体形でフレームに対する反応も大槻と非常に考え方が近いということもあり、大槻がそのまま乗りたくなる様なフレームが完成しました
頑張って組み立てていきます・・・