遅ればせながら、皆様明けましておめでとうございます
本年もWebショップvelocraftをよろしくお願い致します
さて、ツーリングバイク業界・ハンドメイドバイシクル業界で2019年一番の話題と言えば「ジャパンバイクテクニーク」でしょう
有名ビルダーやショップが数多くエントリーしている自転車つくりの腕を競うコンテスト
僭越ながらvelocraftもエントリーさせて頂きました
一応代表は大槻ですが、1人で全て賄うことは出来ませんので、velocraftチームとして参戦です!
なにせコンテストでは実際に走行して(しかも渋峠!)その優劣も重要ですから、ヘナチョコ大槻が走ったのでは着に絡むどころか、完走すら難しいですからね
弊社スタッフで最も走れるであろうスタッフHが手を挙げてくれたので、Hに合わせた自転車にします
勿論フレーム製作から始まるのですが、velocraftでは自社生産のフレーム販売はしておりませんので参考品として製作
「さてさて、どんな自転車を作ろうか」そんなところからのスタートです
勝敗のあるコンテストですから、インパクトを重視して発表まで内緒にしておくことが常套手段でしょうが、そこはvelocraft
いつもブログネタに困っていますので、製作過程をドンドン公表していっちゃいます(そんなにインパクトのある自転車は作れませんし・・・(汗))
まずは、構想段階から・・・
①velocraftらしい自転車にしたい
・トラディショナルなツーリングバイクでありながら、最新のコンポーネントであること
・軽量性よりも安全性
・スチールフレームや広義でのランドナーショップ
②多くのお客様やパートナーの意見を取り入れる
・ディスクブレーキを使うと元のカンチには戻れない方が続出
・ラグ付きスチールフレーム&シルバー系パーツが好きなお客様が多い
・本所工研製泥除けの取付けで、お褒め頂くことが多い
③大槻の考え方や趣味を前面に出す
・スローピングフレームが好き
・BB付近のウィップが少ない方が好き
・シンプルにまとめた整備性の良いフレームが好き
④velocraftの取り扱い品で製作する
・フレームパイプはレイノルズ 部材も取扱い品からチョイス
・現行シマノを始め通常扱い品からパーツもチョイス
・市販車では無いので、そこからチョット無理な改造は有り
こんな感じでしょうか・・・
実はJBTの構想を聞いたのが丁度1年前なので、その時からツラツラと考えは巡らせていました
今までの当ブログやインスタで、チョットづつヒントになる様な物は出していましたが・・・
細かな設計図は割愛して、フレーム作りからご紹介
まずは、ラグを軽量化の為に整えていきます
使用するラグはvelocraft扱いで最も安価なアロテック製イタリアンカット
限界と思われるまで削っていきます
BBシェルを含めて、4点の総重量は336gあります
まずは、ザグっておいたパイプを差し込み、定盤に乗せたVブロックの上に置き、水平を出します
ラグの中心にハイトゲージでセンターラインを引きます
既成ラグは、必ずしもセンターがきちんと出ている訳ではありませんから、基準となる位置を割り出しておきます
ラグカットでは左右シンメトリーにすることが多いので、とても重要な作業ですね
ちなみに写真ではキレイにセンターラインが引けていますが、他のラグでは多いところで1mm以上ズレていました
フリーハンドで、削りたい部分にラインを書いていきます
フリーハンドですから、左右のシンメトリーが崩れてしまうので、ある程度書いたらセンターラインを引いた時と同様に水平を出して、対象になる様に修正していきます
何度も繰り返して、満足いくまで繰り返します
削り込むラインさえ引けたら、あとは電動グラインダーで荒削りをして、穴はボール盤を使用して、最後は棒ヤスリで仕上げていきます
このラグカットの方法は以前シクロツーリスト誌で、ご紹介した方法です(何号かは忘れました(汗))
お持ちの方はソチラを参照してください
っで、出来上がったのがコチラ(アザーカットはインスタにUPしました)
カットのおかげで106g軽量化を達成しました
この約100gは、メインチューブ1本をカイセイ022から017に変更したのに匹敵するほどの違いです
乗り味の変化はパイプによるところが大きいですから、乗り味を変えずに100gの軽量化はスチールフレームにとって非常に大きいと思います
ちなみに、ラグはカドがピンッと立っているのが好まれる傾向が強いのですが、今回は若干カドを出さずに面取りをしています
カドが立ったラグは見ためシャープになりますが、どうしてもカド位置の塗装が薄くなってしまい、サビが出やすい傾向があります
古い自転車でもラグが縁どられた様にサビてしまったフレームを稀に見かけますが、そんなことが起き難い様に加工しました
ヘッドラグを良~くご覧頂くと上(右奥)と下(右手前)で随分大きさが違いますね
この辺の意味はまた次回・・・