JBTへの道(?)その6

JBTへの道(?)その6

さてさて、ジャパンバイクテクニークに向けた自転車製作の6回目
フレーム寸法の続きです・・・

まず前提として今回の自転車は「トラディショナルなツーリングバイクスタイル」というコンセプトもありますから、当然フロントキャリア&フロントバッグは装備します

フロントキャリア&フロントバッグを装備しない自転車の場合には今回の内容は全く当てはまりません

今回は、フォークのオフセットとヘッドアングルについての「前編」
この2か所を変化させることで、導かれる数値がフロントセンター長とトレイル
上図ですとフロントセンターが600mmでトレイルが54mmとなっています

タイヤサイズ650x38B(タイヤ直径662mm)でヘッドアングルが71.5°・フォークオフセットが55mm

通常(大槻が普段設計するという意味)650x38Bランドナーですとヘッドアングル72°・フォークオフセットが65mm・トレイルが41mm

違いはどこにあるのでしょう?

まずはフォークオフセット
通常ランドナー等ツーリングバイクでは、直進性を強く意識します
真っ直ぐ進みやすいということは言い換えると「転びにくい」ということにも繋がりますが、曲がりにくいという言い方も出来ます

オフセット量を増やすことで、最も変化があるのがハンドルの上下位置
ハンドルが真っ直ぐ前を向いている時と、曲がっている時のハンドルの高さの差が大きくなり、それが機動性や曲がりやすさを失わせてしまいます

ランドナーでは機動性よりも直進性を重視してフォークオフセットを長くしていますが、実はもう一つ・・・

フロントバッグを装備することが前提の為、バッグ荷重を支えやすくする為に前輪を前方にしたいという目的もあります

経験則として、バッグの重心よりも前輪ハブ軸が後にあると、バッグの荷重でハンドルを振られやすくなってしまい、フラツキやすい自転車になってしまいます

そこでフォークオフセットをグンッと伸ばすことで、前輪位置を前に出して、バッグの荷重を少しでも前輪ハブ軸に対して後にしておきます

なので、ランドナーのフォークオフセットは他のスポーツバイクに比べて極端にフォークオフセットが長く60~65mm程度が標準となっています

なので、近年のモダンなツーリングバイクではフォークオフセットが45~50mm程度の短い設計が標準ですが、今までのフロントバッグを取付けることは想定していないのだろうと考えています
それを知らずに、フロントキャリアを付けてフロントバッグを取付けてしまうと、バッグの大きさにもよりますがハンドルがフラフラとしてしまいます

もし、ご自身が既にお持ちの自転車にフロントバッグを取付けたい場合は、バッグの前後位置が前輪ハブ軸に対してどの位の位置になるのかを想定して、バッグの奥行を決めて頂くことをお勧めします

では、なぜ今回はフォークオフセットが短めの55mmにしたのか・・・

それはディスクブレーキを採用したから

通常カンチブレーキやセンタープルブレーキの場合にはキャリア天板後端部がヘッドチューブから約4cmで、厚みのあるサイドプルの場合には約6cmの隙間が必要です
どちらもフォークの前側にブレーキが付いていますし、キャリアとヘッドチューブの間にワイヤーが通りますから、コレ以上天板を後に下げることは難しい

フロントバッグは真四角な物が多いですからフレームサイズやステム長にもよりますが、フロントバッグサポーター等でバッグ位置を前に出して、バッグの後端部がフロントバッグサポーターとキャリア天板後端部が垂直に近い状態になる様に合わせる必要があります

フロントバッグサポーターを装備していないと、極端にステム長を伸ばすか変形フロントバッグをオーダーするか諦めてバッグを後傾に取り付けるしかありません

フロントバッグサポーターはハンドルバー上部を持つためやフロントバッグの着脱が簡単になるパーツという認識をされる方が多いですし間違いではないのですが、真四角のバッグを綺麗にキャリアに載せるという役割も果たしています

ディスクブレーキを採用することでキャリア位置を後側にずらすことが出来、フロントバッグサポーターを割愛出来、オフセットが短い機動性の高いハンドリングを実現することが出来ます
ハンドルバー上部を持つことは出来なくなりますが、走行距離75kmのレーサーですからハンドルバー上部が持てるというのは、メリットとしては小さいと思いますし、重視すべきポイントでも無いと思います
それ以上にフロントバッグを約2cmヘッドチューブに近づけることが出来る方が遥かにメリットだと思いますし、余分なパーツが無い分軽量にも仕上がるはずです

ディスクブレーキは制動力の強さというメリットが最大だと思いますし、その制動力に合わせたフレーム部材やジオメトリーも必要なのですが、「ディスクブレーキを採用することで、フォークオフセットが短く出来る(但しトークリアランスを無視)」というメリットが副産物として生まれます

さて、フォークオフセットを短くするのは解ったとして、なぜ45mmや50mmでは無く55mmなのか
それはフロントセンター長とトレイルが大きく関わってきますので、また次回・・・

 

ちなみにフレームは、とりあえず完成しました
重量約1.6kgですが、まだ軽く出来るポイントが無いかな??と考え中・・・

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